― 広さだけでは決まらない住まいの問題
介護を考えた住まいでは、
トイレの広さを確保することが大切だと言われます。
車いすでの利用を想定して、
・トイレを広くする
・出入りしやすいようにする
・手すりを設置する
こうした配慮が行われることも増えています。
ただ実際の生活では、
広く作られたトイレでも使いにくいことがあります。
原因は単純な広さではなく、
トイレの入り口や扉の形にあることも少なくありません。
トイレの中は広いのに、入りにくい家
以前見た住宅で、
車いすの使用を想定して作られたトイレがありました。
トイレの内部は十分な広さがあり、
車いすでも回転できるスペースが確保されています。
しかし実際には、
そのトイレはほとんど使われていませんでした。
理由はシンプルです。
トイレの入り口が狭く、
さらに扉が開き戸だったのです。
扉の動きが動作を邪魔する
車いすでトイレを使う場合、
出入りの動きは想像以上に複雑になります。
ドアを開ける
車いすを動かす
体の向きを変える
ドアを閉める
この一連の動作の中で、
開き戸は動線を大きく邪魔してしまうことがあります。
特にトイレの入り口が狭い場合、
車いすの操作と扉の動きが重なり、
出入りが難しくなります。
その結果、
広いトイレがあるのに使えないという状況が生まれてしまいます。
トイレの使いやすさは「入口」で決まることもある
トイレを広くすることは大切ですが、
それだけで使いやすさが決まるわけではありません。
入り口の幅は一般的に75cm程度の開口部と言われています。車いす使用の場合は最低でも90cmは欲しいです。
扉の種類もスライドでなければ乗車した状態での開け閉めは難しいです。
車いすの動きも直線的ではなく、旋回する動きも想定されます。
これらが合っていないと、
内部がどれだけ広くても使いにくくなることがあります。
実際には、
・引き戸
・十分な開口幅
といった条件が整ってはじめて、
トイレの広さが活きてきます。
住まいの問題は「一つの設備」で解決しない
住まいの介護対策というと、
手すり
段差
トイレの広さ
といった設備の話になりがちです。
しかし実際の生活では、
入口
動線
扉の動き
体の向き
など、
いくつもの要素が組み合わさって動作が成り立っています。
そのため、
一つの設備だけを改善しても
生活がうまく回らないことがあります。
住まいは「生活の動き」で考える
トイレの例は、
住まいの問題をよく表しています。
設備としては正しい。
でも生活では使いにくい。
こうしたことは
トイレだけでなく、
玄関
浴室
階段
などでも起こります。
住まいを考えるときには、
設備の条件だけでなく
生活の動きの中でどう使われるか
を見ることが大切になります。
まとめ
車いすを想定したトイレでは、
広さ
手すり
設備
が重視されることが多いです。
しかし実際には、
入口の幅
扉の形
動線
といった条件によって、
使いやすさは大きく変わります。
住まいの問題は、
設備だけで決まるものではありません。
生活の動きの中で考えることで、
はじめて使いやすさが見えてくることがあります。

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