家の中の転倒というと、階段や高い段差をイメージする方が多いかもしれません。
しかし実際に生活を見ていると、高齢者が転ぶのは必ずしも大きな段差ではありません。
むしろ、「こんなところで?」と思うような小さな段差や敷居でつまずく場面をよく見かけます。
今回は、家の中の小さな段差がなぜ危険なのかについてお話しします。
上がれない段差では人は転びません
高い段差や急な階段は、誰が見ても危険です。
そのため、
- 手すりを使う
- 足元を見る
- ゆっくり動く
といった行動を自然に取ります。
つまり、危険だと分かっている場所では注意を向けているのです。
もちろん事故は起こりますが、意外と「分かりやすく危険な場所」での転倒は多くありません。
危険なのは「気にしていない段差」です
反対に危険なのは、毎日通っている場所です。
例えば、
- 部屋と廊下の境目
- 敷居
- 玄関の小さな段差
- カーペットの縁
などです。
こうした場所は見慣れているため、わざわざ足元を確認しません。
さらに、
- 洗濯物を持っている
- 会話をしている
- 荷物を運んでいる
- 別のことを考えている
といった状況が重なると、注意は足元から離れてしまいます。
その結果、わずかな段差でもつま先が引っかかりやすくなります。
この敷居は危険に見えますか?

この写真の敷居を見て、多くの人は「これくらいなら大丈夫」と感じると思います。
実際に若い人であれば問題なくまたげる高さです。ものの1,2cmですからね。
しかし、高齢になると話は変わります。
足が上がらなくなったから転ぶのではありません。
足を上げることに注意を向けていないから転ぶのです。
特に毎日通る場所ほど慣れが生まれます。
慣れている場所は安全ではありません。
慣れているからこそ危険になることがあります。
転倒予防は段差をなくすことだけではありません
転倒予防というと、
- 手すりを付ける
- 段差を解消する
といった環境整備が注目されます。
もちろん大切です。
しかし実際の生活では、それだけで解決するわけではありません。
例えば、
- 荷物を持ちながら移動することが多い
- いつも急いでいる
- 夜間にトイレへ行く
- 動線上に物が置かれている
こうした生活習慣も転倒の原因になります。
家の中の安全を考えるときは、身体機能だけではなく「どのように生活しているか」まで見ることが大切です。
まとめ
高齢者が転ぶのは、必ずしも大きな段差ではありません。
むしろ危険なのは、
- 毎日通る場所
- 慣れている場所
- 気にしていない場所
です。
上がれない段差は避けたり注意したりできます。
しかし、小さな段差や敷居は注意が向きにくく、転倒につながりやすくなります。
家の中を見渡してみると、危険は意外な場所に隠れているかもしれません。

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