― 生活の動きから考える設置場所
住宅の中で手すりを設置するとき、
よく聞かれるのが
「どこにつければいいのか」
という疑問です。
玄関
トイレ
浴室
階段
さまざまな場所に手すりを付けることができますが、
実際の生活では
必要な場所と使われる場所が一致しないこと
もあります。
手すりは単に設備として設置するのではなく、
生活の動きの中で考えることが大切になります。
手すりは「動作が変わる場所」に必要になる
手すりが役立つ場面の多くは、
動作が変わる瞬間です。
例えば
立ち上がる
座る
段差を上がる
体の向きを変える
こうした動作では
身体のバランスが崩れやすくなります。
そのため手すりは
移動の途中よりも
動作が変わる場所
に設置されることが多くなります。
よく設置される場所
住宅の中では
次のような場所に手すりが設置されることが多くあります。
玄関
トイレ
浴室
階段
これらの場所では
段差や立ち上がりなどがあり、
身体への負担が大きくなることがあるためです。
ただし生活の中では別の問題もある
実際の住宅では
手すりを付けたい場所に
必ず設置できるとは限りません。
例えば玄関では
靴
傘
荷物
などが集まりやすく、
手すりを付けるスペースが
確保できないことがあります。
またトイレや浴室では
空間が限られているため、
設置位置が制限されることもあります。
人の動作は左右対称ではない
手すりの位置を考えるときには
もう一つ重要な視点があります。
それは
人の動作は必ずしも左右対称ではない
ということです。
人の体は左右対称に見えますが、
実際の動作では
利き手
利き足
得意な荷重方向
などによって
動きやすい方向が生まれます。
さらに
麻痺
整形疾患
痛み
などがある場合、
左右の動きの差はより大きくなります。
そのため手すりの位置も
実際の動作に合わせて考える必要があります。
手すりの太さや形状も重要になる
手すりというと
位置や高さに注目されることが多いですが、
実際の生活では 太さや形状も重要になります。
一般的な手すりは
円柱の形状で作られています。
しかし身体の状態によっては
この形状が使いにくいことがあります。
例えば
リウマチなどで指の関節に痛みがある場合、
丸い手すりよりも
平型の手すりの方が支えやすいことがあります。
また握力が弱い場合には
細すぎる手すりでは
しっかり握ることが難しいこともあります。
このように手すりは
形や太さによっても使いやすさが変わります。
手すりを取りに行って転倒することもある
手すりは転倒を防ぐための設備ですが、
実際には
手すりを取りに行って転倒する
ということもあります。
歩き始めるときや
バランスを崩したときに
手すりをつかもうとして
手が届かないと
そのまま転倒してしまうことがあります。
パーキンソン病では
最初の一歩が出にくくなることがあり、
そのときに手すりを求めて
バランスを崩すこともあります。
そのため手すりは
確実に手が届く位置にあることが重要になります。
手すりがあることで動作が変わることもある
リハビリの視点から見ると、
手すりは必ずしも良い影響だけとは限りません。
手すりに頼ることで
手の力で体を引き上げる
引っ張り立ちの動作になる
といったことがあります。
すると本来使うべき
足
体幹
を十分に使わない立ち方になり、
動作のバランスが崩れることもあります。
手すりは安全のために役立つ設備ですが、
身体の使い方を変えてしまうこともある
という視点も必要になります。
手すりは生活の中で決まる
手すりの設置では
高さ
位置
向き
といった基準があります。
しかし実際の生活では
身体の状態
動作の方向
生活の習慣
によって
使いやすさは大きく変わります。
そのため手すりは
設備の基準だけでなく
生活の動きの中で考えること
が大切になります。
まとめ
手すりは
立ち上がり
段差
方向転換
など、動作が変わる場所で役立つ設備です。
しかし実際の生活では
動作の方向
身体の状態
空間の広さ
手すりの形状
などによって
使いやすさが変わります。
手すりは設備として考えるだけでなく、
生活の動きの中で位置を考えることが大切になります。

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