玄関が狭いと介助はどれくらい難しくなるのか

― デイケア送迎でよく見る玄関の動き

デイケアの送迎に立ち会っていると、玄関で少し苦労する場面をよく見ます。

車いすへの移乗。
段差の上り下り。
靴の履き替え。

どれも特別な動作ではありません。

ただ、玄関が少し狭いだけで
介助の難しさは大きく変わります。

本人、介助者、車いす。
人の動きが重なると、玄関のスペースは意外と足りなくなることがあります。


介助されながらの段差昇降は意外と怖い

段差を上がるとき、自分一人で動ける場合は、意外と体はうまくバランスを取っています。

足を出すタイミング。
体重を移すタイミング。

人は無意識のうちに、自分のペースで体を動かしています。

しかし介助が入ると状況は変わります。

介助者は安全を考えて、体をしっかり支えようとします。
その結果、体をがっちり支えられることがあります。

もちろん安全のためですが、
このとき

自分のタイミングで動きにくくなる

ことがあります。

段差昇降では、この「タイミングのずれ」が意外と怖さにつながることがあります。


玄関は動作が重なる場所

玄関ではいくつもの動作が同時に起こります。

靴を履く
立ち上がる
段差を上がる
外へ出る

さらに

荷物を持つ
体の向きを変える

といった動きも加わります。

つまり玄関は

家の中でも動作が集中する場所

です。

そのためスペースが少し足りないだけで、動きにくさが大きく変わることがあります。


身体機能によって介助方法は変わる

玄関での介助は、身体機能のレベルによって大きく変わります。

例えば

手すりを持って立位を保てる人
車いす移乗が全介助になる人

では、介助者の動きはまったく違います。

立位が保てる場合は、手すりを使って立った状態を維持しながら

車いすを差し込める位置関係を作れるか

が大切になります。

このとき玄関のスペースに余裕があれば、車いすの位置を少し調整することができます。

しかしスペースが限られていると、
介助の姿勢も苦しくなり、動作が難しくなることがあります。


「一歩出るかどうか」で動きは変わる

身体機能が少し残っている人の場合、
例えば

一歩だけステップが出る

というケースがあります。

この一歩が出るだけで、体の向きを変えることができます。

すると

車いすへの移乗
玄関の段差昇降

こうした動作の難しさが大きく変わります。

現場でも

「ほんの少し体が動くかどうか」

で介助の形が変わる場面はよくあります。


身体には左右差がある

人の体は見た目には左右対称に見えます。

しかし実際には

体重をかけやすい側
力を入れやすい側

があります。

現場でも

「こちら側に体重をかけると立てる」

という場面はよく見られます。

このため手すりの位置によって、動きやすさは大きく変わります。

荷重しやすい方向に手すりがあるだけで
立ち上がりが安定することもあります。


身体機能の変化で空間の使い方も変わる

玄関はただの出入口ではありません。

身体機能によって

空間の使い方が変わる場所

でもあります。

身体機能が高いときは

立って靴を履く
自分で段差を上がる

といった動作が中心になります。

しかし身体機能が低下すると

車いすの位置を調整する
介助者が体を支える
移乗のスペースを確保する

という使い方に変わっていきます。

つまり

身体機能の変化に合わせて
空間の使い方も変わっていく

ということです。


まとめ

玄関が狭いと

車いすの位置調整
立ち上がり
段差昇降

といった動作が難しくなることがあります。

玄関は毎日通る場所ですが、
同時に身体の動きが集中する場所でもあります。

身体機能が少し変わるだけで
必要な動きも、必要なスペースも変わってきます。

送迎の現場にいると

「もう少しスペースがあれば動きやすいのに」

と感じる場面があります。

家の作りと身体の動きは、
思っている以上に深く関係しているのかもしれません。


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