縦手すりと横手すりは何が違うのか|「付けたのに使われない」理由

手すりは付いているのに使われない。
立ち上がるときも、段差をまたぐときも、結局どこにも触れていない。

このズレは、手すりの有無ではなく
縦と横の使い分けが合っていないところで起きています。


縦手すりは「引く動き」に使う

縦手すりは、上から下へ手をかけて引く動きに向いています。

・椅子や便座から立ち上がるとき
・低い位置から体を起こすとき

目安としては、手をかけたときに肘が軽く曲がる高さ
立ち上がりの途中で胸の前あたり(みぞおち〜胸)に手が来る位置にあると、引きやすい。

具体的には、座面からの高さでいうと
+20〜30cm前後の範囲に握れる区間があると外しにくいです。
(例:便座40cmなら、60〜70cm付近で握れる)

ただしここがズレると一気に使われなくなります。

・高すぎて腕が伸びきる
・低すぎて体が起きる前に力が抜ける


横手すりは「支える動き」に使う

横手すりは、体を横から支える・保つ動きに向いています。

・立った後に姿勢を安定させるとき
・段差をまたぐとき
・歩き出しや方向転換

目安は、立位で手首が自然に乗る高さ
多くの人で床から75〜85cm前後が使いやすいレンジです。

体の横に近く、手を置いたまま一歩動ける位置にあることが重要です。
遠かったり低すぎたりすると、触れない・腰が落ちる・肩が上がる、で結局使われません。


立ち上がりと段差でズレが出やすい

縦と横の違いがはっきり出るのは、

・立ち上がり
・段差をまたぐ動作

です。

立ち上がりでは**引く(縦)が効くのに、横だけだと力が逃げる。
段差では
支える(横)**が効くのに、縦だけだと安定しない。

この組み合わせのズレがあると、
「手すりはあるのに使えない」状態になります。


握力だけでは決まらない

手すりの話は握力に寄りがちですが、
実際にはそれ以上に

どの方向に力を使うか

が合っているかどうかが重要です。

引くのか、支えるのか。
ここが合っていれば、多少握力が弱くても使われます。


まとめ

手すりは、付ければ安心というものではありません。

縦は「引く」、横は「支える」。
この使い分けに加えて、**高さの目安(縦:座面+20〜30cm/横:床から75〜85cm)**を外さないことが、まずの基準になります。

ただし一番大事なのは、実際に使う人で合わせることです。

・普段どの動きで使うのか
・どのタイミングで力が入るのか
・どちらの手で触れるのか

同じ家でも、この条件は人ごとに変わります。

設置したら終わりではなく、一度触れてもらって、違和感が出る位置をその場で調整する
ここまでやって初めて、生活の中で使われる手すりになります。


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